作って、失敗して、見えた「価値」の話
10月から現在まで、自社サービス展開を目指し、
「1社先とすべて直接つながれるプラットフォーム」
Bridge-One の開発を進めてきました。
しかし結論から言うと、
Bridge-One はお蔵入り となりました。
理由はとてもシンプルです。
「価値が薄かった」
この一言に尽きます。
Bridge-One は、私自身の原体験から生まれました。
「こんなものがあったら良くない?」
その感覚を、そのまま形にしたプロダクトです。
ただ、作り進める中で
自分が考慮できていなかった点が、次々と見えてきました。
今回はその反省を、記録として残しておきます。
反省① 「なぜ多くの会社がやっていないのか」を考えていなかった
私はSES業界に参入してまだ日が浅い人間です。
そんな自分が思いついたアイデアであれば、
おそらく誰かが一度は考えたことがあるはずです。
それでもなお、多くのSES企業が
今もメールやLINEというアナログな手段でやり取りをしている。
そこには
「簡単には解決できない理由」
があるはずでした。
その前提を理解せず、
「仕組みを作れば解決するはず」と考えてしまった。
これは大きな反省点です。
反省② 作る前のリサーチが圧倒的に足りなかった
今でも、Bridge-One 自体は
世の中の役に立つシステムだと信じています。
しかし、
「直接つながれる」 というメインの価値以外に
十分な付加価値を用意できていませんでした。
例えば、
・Bridge-Oneを使っていない相手ともスムーズに情報共有できる
・契約書作成まで一気通貫で行える
・「Bridge-Oneさえあればいい」と言われる理由がある
こうした視点が足りていなかった結果、
このサービスは 「便利」ではなく「連絡手段が増えるだけの手間」
になってしまっていたと思います。
人は何が解決されたら嬉しいのか。
そこをもっと深く理解してから、作り始めるべきでした。
それでも、前向きに捉えています
正直に言えば、約2か月分の労力は、ビジネスとしては無駄になりました。
ただ、自分で作り、失敗したからこそ得られた重みは、事前の調査だけでは得られなかったものだと感じています。
効率だけを考えれば、壁を事前に避けるのが正解です。
でも「失敗した感触」を身体で理解できたことは、
今後に必ず活きると確信しています。
ということでBridge-One は、弊社メンバー向けの教材として公開予定 です。
カリキュラムの範囲を大きく超えるシステムではありますが、
「エンジニアとして、将来ここまで作れるようになる」
という通過点のイメージを持ってもらうためです。
技術的な話を少しだけ。
参考までに、Bridge-One クラスのシステムを
一人で構築できるエンジニアの単価感 を GPT に聞いてみました。
結果は 65万円クラス。
理由として挙げられた要素は以下です。
・認証・認可を前提にした構成
・NestJS によるレイヤ分離(Controller / Service / Entity)
・複数テーブルを前提とした DB 設計
・PDF 等のファイルアップロード
・管理画面を意識した UI 設計
・教材化できるレベルの構造理解
一方で、まだ足りていない要素も明確でした。
・超大規模トラフィックへの対応
・厳格なセキュリティ監査
・金融・医療レベルの設計責任
・マイクロサービスによる大規模分散構成
これらの経験が加われば、
80万円クラス になる、とのことでした。
もちろん、これは SES での実務経験がある前提の話です。
他社が求める要件に応え続けてきた経験は、やはり作業の質を大きく引き上げます。
まとめとしてBridge-Oneは、サービスとしては世に出ませんでした。
ですが、メンバーの成長を支える教材として、静かに活躍してもらいます。
失敗も含めて、すべてが次につながる。そう信じて、次に進みます。
