私が「Zohoがすごい」と言わない理由

投稿者:浦 周平 経営者投稿
今回は少し、私個人の考えを書いてみようと思います。 IT支援をするとき、 「こんなことができます。」 「こんな機能があります。」 このようなアプローチは、実はあまり刺さらないのではないかと私は考えています。 本当に大切なのは、 **お客様が日常業務の中で、何を許容できていて、何を"困る"と感じているのか。** そこを理解し、困っている部分を解決することです。 例えば、自動食器洗い機。 皆さんのご家庭にはありますか? 私の感覚では、持っていない方のほうが多いと思います。 もちろん便利な家電です。 食器を並べてボタンを押すだけ。 家事の負担を大きく減らしてくれます。 では、「買おう」と思いますか? 多くの人は、 「便利なのは分かるけど、自分で洗えば済むかな。」 という答えになるのではないでしょうか。 これが**"許容できる領域"**です。 多少面倒でも、自分で頑張れば済む。 だから、お金を払ってまで改善しようとは思わない。 一方で、こんな質問はどうでしょう。 5畳1K、しかもユニットバスの部屋に住みたいですか? 多くの人は、 「できれば7畳は欲しい。」 「いや、8畳くらいあってバス・トイレ別がいい。」 そう考えるのではないでしょうか。 これが**"困る領域"**です。 ここにお金を払う価値を感じます。 そして私は、会社のITも同じだと思っています。 今は、 「DX支援をしています。」 「AI活用を支援しています。」 そんな会社には簡単に出会える時代です。 もちろん、RespointもZohoを活用したシステム開発を行っています。 ですが、 「AIができます。」 「便利なシステムがあります。」 そう伝えただけでは、多くのお客様にとっては自動食器洗い機と同じです。 「便利そうだけど、今のままで何とかなる。」 そう思われてしまいます。 さらに、導入には費用もかかります。 「そこまでお金を掛けるほどではない。」 そう判断されれば、どれだけ優れたシステムでも 4LDK家賃20万のような感想を持たれては、導入にはつながりません。 だから私が提案したいDXは、 **"5畳1Kユニットバスを、8畳1KセパレートにするDX"** です。 AIを駆使した最先端の仕組みを提案することではありません。 まずは、 「毎日4時間かかっている作業を30分にする。」 「転記作業をなくす。」 「紙を探す時間をゼロにする。」 そんな、お客様が本当に困っている部分を解決することです。 一見すると地味かもしれません。 しかし、その改善だけで社員が毎日数時間早く帰れる会社は、実際にたくさんあります。 そして、まだそこまで改善できていない企業も数多く存在します。 私は、その領域に目を向けてもらうように意識しています。 今の技術をよく知っているエンジニアから見れば、 「そんなこと、今さら?」 と思うかもしれません。 ですが、お客様が許容できる領域を、どれだけ高度な技術で解決しても価値は生まれません。 逆に、お客様が本当に困っていることを解決できれば、それが基本的な技術であったとしても、大きな価値になります。 私たちエンジニアの役割は、技術を提供することではありません。 **問題を解決することです。** そして、その問題を解決するためのコストパフォーマンスに優れた選択肢の一つが、 私はZohoだと考えています。 だから私は、 「Zohoはすごいですよ。」 とは言いません。 その前に、 **「今5畳1Kユニットバスだと感じるところは何ですか?」** そこから始めることが、DXの第一歩だと考えています。 AI活用などは、この概念を理解してもらった後に、 ついでに導入すればいいものだと考えます。