「自分の実力を試す」ことから始めない
今回は、社会に出たばかりの人や、新しい業界に挑戦する人に向けた内容です。
多くの人が、
「自分もこの会社で活躍できるようになるぞ!」
と、希望を持って仕事を始めることと思います。
その気持ちは、とても大切です。
ただ、そんな人に一つだけ気をつけてほしいことがあります。
それは、
**「自分の実力を試す」つもりで仕事に臨まないことです。**
例えば、あなたがボクシングを始めたとします。
数年間ボクシングを続けている人を相手にして、3ヶ月程度の経験で上回れると思いますか?
私は、かなり難しいと思います。
当然ですよね。
相手は何年も練習してきています。
パンチの打ち方、距離の取り方、相手の動きの見方。
何度も失敗して、何度も改善して、それを積み重ねてきたわけです。
それなのに、3ヶ月練習しただけで、
「自分の方がセンスがあるから勝てる」
と考える人は、そう多くないでしょう。
そして仕事の世界では、10年どころか20年先に経験している人までいます。
それでも、仕事となると
「自分なら数ヶ月で追いつける」
「自分はもっとできるはずだ」
と考える人は、意外と多いように感じます。
そして、私もその一人でした。
もちろん、最初から大きな成果を出す人もいます。
ですが、初めてその仕事に関わる人が、最初から価値を生み出す力を持っているというのは、かなり稀なことです。
自分はその例外だと期待したくなる気持ちは分かります。
でも、最初から「自分はできる側の人間だ」と考えるより、
**「自分にはまだ成長する必要がある」**
という前提でいた方が、結果的には早く成長できると思っています。
これは、
「自信を持つな」
という話ではありません。
「希望を持つな」
という話でもありません。
これまでの学生時代の経験や、過去の仕事で身につけてきたものは、必ずあなたを支えてくれます。
自分の可能性を信じることも大切です。
ただ、
**「自分にはまだ知らないことがたくさんある」**
ということも、同時に受け入れておいた方がいい。
この違いは、仕事を始めてから大きな差になります。
「自分の実力を試そう」と考えている人は、
「今の自分がどこまで通用するか」
が重要な評価軸になりやすいからです。
そのため、うまくいかないことや失敗に対して、必要以上に悲観的になってしまいます。
「思ったよりできない」
「自分には向いていないのかもしれない」
「すぐに結果が出ないから、この仕事は合わない」
そんなふうに考えてしまう。
でも、そもそも最初からできないのは当たり前なんです。
まだ経験していないのだから。
むしろ、失敗して当然です。
そして、もう一つ注意したいのが、改善の方法です。
「自分の実力を試そう」としている人ほど、うまくいかなかった時に、
自分の頭の中だけで改善しようとしてしまいます。
「自分はこう考えるから、次はこうしてみよう。」
もちろん、それも大切です。
しかし、それだけではなく、
**すでにうまくいっている人を観察すること。**
これがとても重要です。
自分より経験がある人がいるなら、その人のやり方を真似してみる。
結果を出している人がいるなら、なぜ結果が出ているのかを考える。
自分なりのやり方を作る前に、まずはうまくいっている方法を知る。
これだけでも、成長のスピードは大きく変わります。
「自分にはまだ成長する必要がある」
という前提で動くことができれば、失敗も必要以上に怖くなくなります。
失敗することを想定しているからです。
そして何より大きいのは、
**「自分よりレベルが高い人が必ずいる」**
と考えられることです。
そう思える人は、素直に人のやり方を学ぶことができます。
素直に真似することができます。
分からないことを聞くことができます。
自分より優れている人を見つけたときに、悔しさだけではなく、
「この人から学べばいい」
と考えることができます。
その積み重ねが、少しずつ自分の力になっていきます。
そして最終的には、その力が誰かに必要とされる価値につながり、
お金を生み出す力になっていきます。
だから私は、
**最初から自分の実力を証明しようとしなくていい。**
と思っています。
まずは学ぶ。真似する。失敗する。改善する。
そして、少しずつ自分なりのやり方を作っていく。
その方が、結果的には大きなところまで行けると思います。
自信を持っていることは、決して悪いことではありません。
「自分ならできる」と思えることは、大きな原動力になります。
ただ、
**自信を持つことと、自分を過信することは別です。**
「自分にはできる」と信じながら、
「でも、今の自分にはまだ足りない」
と冷静に考える。
この二つは、決して矛盾しません。
むしろ、
**自分の可能性を信じながら、自分の未熟さも受け入れられる人。**
私は、そういう人が一番大きく成長できるのだと思っています。
